Evernote クリエイティブディレクター Gabe 氏によるデザインの話

個人的に、Evernote のロゴのデザインって秀逸だなーとずっと思っていたん だけど、そのデザインを手がけたGabe Campodonico 氏の話が聞けると聞いて、 先日、 Open Network Lab 主催の Evernote クリエイティブディレクター Gabe氏によるデザイントーク「シリコンバレー流UI/UX/Brand Development」 に行ってきたので、そのメモ。

全体の流れは 安藤日記 - Evernote’s UI Design に詳しく書いてくださっている。

Gabe さんは Evernote のロゴを作った人なんだけど、デザイン業界では15年仕事をしているベテラン。最初は小さなデザイン事務所で Apple や Nike など大手企業のプロダクトデザインを手がけておられたそう。身近な例では Apple Store 銀座も彼の手がけたもの。 Evernote ではロゴのデザインだけではなくUX 全体をみる立場。

彼の仕事について一言では語れないけれど、とても多くの量のインプットを行うことで直感を養うこと、クオリティにこだわらずに多くのアウトプットを客観的に見える形で行った上で良いものをより分ける(Edit)という点が印象に残った。

これはデザインに限らずプログラミングなどのモノづくりにも共通した話かなーと思う。クオリティーにこだわりすぎて結局アウトプットが出せないってよくある罠だし、プロとして仕事をする上では致命的。そういう意味で Gabe さんの仕事のやり方はとても考えさせられる。そういえば、こういう仕事のやり方ってデザインのクラスだと普通に教えられるものなのかな(聞けばよかった)。他にも非常に面白い話題が沢山あったので、後々見返すことになりそうだ。

From Logo to UI

ロゴについて

  • Evernote の仕事を始めたとき、この企業が何をしようとしているのか知るために、できるだけ多くのいろいろな社員と話した。
  • たくさんの(100個近い)候補を作った。普通の企業のロゴのようなやつから、普通じゃないやつまで。
    • (スライドで Evernote ロゴの候補一覧を見せてくれた。無限記号(∞)や、多くの書類を模したものなど何種類かのカテゴリがあり、その中でも微妙に異なるバージョンが幾つか。)
  • たくさんの候補の中から良いものを選ぶ。自分で選んだ後、他の人にレビューしてもらう。
  • テック企業のロゴは殆どが青と赤。Evernote のロゴが緑になったのは、緑といえば Evernote と印象を持ってもらうため。
  • 象のロゴは “Elephants never forget. (象たちは決して忘れない)” という英語のことわざから来ている。
  • シンプルさは大事だけど、やり過ぎると印象に残らない。
    • 悪い例はTODOリストのアプリ。みんな✔チェックマークをもとにしていて似たり寄ったり。
    • 印象に残るロゴにすることで、AppStore のトップにフィーチャーされている。

パッケージング

  • 箱を開けたときの感動が大切。商品を大切なモノだと思ってもらう。
    • お菓子のパッケージや、アクセサリーのパッケージはそういうものが多い。
    • この分野では日本は優れていると思う。

UIデザイン

  • プラットフォームの良き市民となる。プラットフォームの標準的なUIを採用する。
    • 多くの人は、そのプラットフォームに慣れているので、すべてのプラットフォームで同じUIにすることはない。
    • これは 1Password もそうだなー。それぞれのPFでのベストな体験をユーザーに与えたいってことなんだろう。

Less is More

  • 機能を削って何を残すか編集することがチャレンジング!
  • よくある落とし穴
    • 機能を選択できるようにオプションにしよう!
    • メニュー項目にいれちゃえ!
    • この機能があれば競合に勝てる!
    • 製品に欠かせない機能なのかどうか問うことで、機能を絞ろう
  • Immersive Experience (没入体験) が得られるようなUIを作る。
  • エンジニアは機能を作るのが仕事なのでソフトウェアは複雑になり易い。そこで、UX デザイナーが機能を削って 目的にフォーカス させる。
    • これはかなり思い当たる。UX デザイナー重要だと思う。

Fluid Interface

  • 流れるように変化してユーザーを誘導するUIと理解した。
  • ポイント
    • 今までに何をして、これから何をしようとしているのかを分かりやすく。
    • 自分が作ったものがどこにあるのかを分かりやすく。 (e.g. ファイルの場所など
  • 良い例は iPad Photo アプリ、 iPad Twitter アプリ

質疑応答

  • ルーティンワークになると創造性が無くなるので、意識して分野を変えて新しいことを学ぶようにしている。
  • いい仕事のためには、濃密なディスカッションと最終的に判断する人の存在が重要。
  • 技術的な判断のために、エンジニアもひとりクリエイティブチームに最初から入る。
  • 白黒に色を落としても記憶に残るものが印象に残るデザイン。
  • UXデザイナー x ビジュアルデザイナー x エンジニアでチームを作るのが問題解決には良い。
  • 最初はいいアイデアであっても悪いアイデアであっても躊躇せずに数を出しておく。あとで見返したときに、悪いと思っていたものからとても良いアイデアが生まれることがある。
    • 幅広いアイデアを形にして見れるようにしておくことが大切。
  • iPhone に200近くのアプリが入っている。常にいろんなアプリをチェックしている。Pathの新バージョンや Twittelator が素晴らしい。
    • 幅広く情報を仕入れることが良い直感を育むことを意識している。